第9回開催報告 2024年3月8日(金) 19:00より実施しました!
科学の目で見た海洋プラスチックごみ問題
大野城心のふるさと館 1Fジョーホール/対面のみの開催
令和5年度最後のサイエンスカフェとなりましたが、ジョーホールで盛況のうち開催いたしました。本年度も多くの方にご参加いただき嬉しく思います!引き続き令和6年度もよろしくお願いいたします!それでは開催報告にうつりましょう。
令和5年度最後のサイエンスカフェとなりましたが、ジョーホールで盛況のうち開催いたしました。本年度も多くの方にご参加いただき嬉しく思います!引き続き令和6年度もよろしくお願いいたします!それでは開催報告にうつりましょう。
皆さんも、浜辺で流れ着いたプラスチック容器を見たことがあると思います。
実は、目に見えない大きさのプラスチックが、大量に海を漂っているかもしれません。
身近だからこそ、改めてプラスチックと海の環境について考えてみませんか?
第9回は海洋プラスチック問題に関するお話でした。
磯部先生からひとこと:
今回のテーマは、近年新たな、そして深刻な海洋環境問題としてクローズアップされている「海洋プラスチック汚染」。プラスチックは、現代の私たちの暮らしに 欠かせない存在ですが、軽くて丈夫なプラスチックの特性は、自然界に深刻な影響を与える厄介な汚染物質にもなりうるのです。
海に広がるマイクロプラスチックを含む海洋プラスチックごみの現状と、危ぶまれている環境リスクと将来予測、そして今の私たちにできることを最新の研究成果を踏まえつつ、わかりやすく解説します。
講師
九州大学応用力学研究所・教授
磯部 篤彦 先生
ファシリテーター
九州大学応用力学研究所・教授
竹村 俊彦 先生
マイクロプラスチック・・・「マイクロ」も「プラスチック」も聞いたことがあるけどどんなものでしょうか。磯部先生の丁寧な説明が始まります。
なお、今回のファシリテーションはちくしの科コミの主要メンバーの1人、そして研究室が磯部先生と隣同士の竹村先生が担当です!
さらに今回の実施報告は久しぶりにちくしの科コミから金が担当いたします。この日は学会シーズンだったこともあって、スタッフからの参加者がちょっと手薄だったので、頑張って報告します!ここ(矢印)に座って聴講しました!真面目に聞いているでしょう!?
私たちが日々消費しているプラスチックごみ・・・それがどんどん細かくなって海を漂っているんだとか。魚が食べちゃったら結局それを食べる人間にも影響が出ちゃいますね。海の生態系にもダメージが出るそうです。
今は世界中の海でマイクロプラスチックが漂っていない場所はないのだとか!磯部先生も地球を縦断してマイクロプラスチックを収集して確認したそうです。南極や北極・・・綺麗な環境だと思っていました・・・。人類は地球全体を汚してしまっているのですね。どげんかせんと!
マイクロプラスチックの研究はほんの10年以上前はほとんど例がなく、磯部先生が「これはなんとかしないと!」と感じたのは、こんな海岸の状況を見たから・・・ということです。
先生は「聞こえは悪いかもしれないけど、これを見て『イケル!』と思いました」とおっしゃっていました。世界ではじめての研究対象・・・つまり解決すべき重要な課題に直面したときに「イケル!」と言いたくなる気持ちは私もよくわかります。
実はこれ、「自分なら解明・解決できる!」という想いなんですよね。実際 磯部先生は現在世界でマイクロプラスチック研究の第一人者です!
プラスチックごみの大半は地上で発生するそうですが、そのほとんどはどのような末路を辿っているのかわからないのだそうです。発生源であるプラスチックごみと海洋マイクロプラスチックをつなぐ鎖はまさにミッシングリンクなんですね。しかも、プラスチックゴミは日々細かくなっていき、すでに検出不可能なほど小さくなってしまっているものもあるとのことです。つまり海洋マイクロプラスチックとその終焉をつなぐ鎖も全く未解明で、どんどん量が増えていってしまうと今後何が起こるのか予測するには、まだ材料が足りないのだそうです。
いま私たちに何ができるでしょうか。先生は、ご自身のアイデアでスタートしたあるアプリをご紹介されていました。それは地上のプラスチックごみを拾って、写真を撮って投稿するだけで、ゴミの種類とその場所を自動的に機械学習モデルで判定することが可能な PIRIKA というSNSアプリです。私もカフェの途中でダウンロードして使っています。これで地上のプラスチックごみの運命が明らかになれば、結果として海洋マイクロプラスチックの増加を抑えることができて世界を救えるかもしれません!最近注目されているシチズンサイエンス(市民科学)のひとつですね!
「磯部先生、頑張ってください!海よ、きれいになーれ!」という想いをこめて、今日もごみをひろってぽちり!